出演者の個人情報・私生活を侵害しようとする

コラム

1990年代に社会派AV監督と称賛されたバクシーシ山下監督は、1991年1月12日発売「尾行」の撮影の過程で出演者に許諾をとらず尾行の撮影を試みたことを著書で打ち明けています。

>女の子本人は何も知らないんですけど、マネージャーに「尾行してもいいですか」ってきいたら「ああいいよ」って。
それで早速尾行を始めたんですけど、大して行動範囲が広くない子で、しかも一日目でバレてしまいました。
ただ八ミリビデオを持って後ろをつけただけだったんですけどね。その子の家から歩いてすぐのところで親戚が米屋をやっていて、その子は手伝いに行こうとしたらしいんです。その自宅と米屋の間でいきなりバレちゃった。
>で、これは厳しいなと思って、全部ツクリでやっちゃったんですよ。
(バクシーシ山下著「セックス障害者たち」太田出版p48)

出演女性の実際の家と生活圏、私生活を撮影しようとしていたことがわかります。バレなかったら作成されていたのでしょうか。
またバクシーシ山下作品では、出演女優の自宅を撮影場所にしているものがありますが、女性の一人暮らしの雰囲気を出したいとか、経費を安くあげるといった理由だけではありませんでした。
撮影現場が自宅である出演女優にとっては「帰る」「帰して」と言えず、逃げることができないのです。
(バクシーシ作品)「虜犯」では、女優の自室で撮影の際、部屋の中で小便をするなど、監督と出演男優とADが酒を飲んで好きに暴れた。この撮影は午後4時47分訪問深夜1時終了とされています。

虐待作品を作って障害致傷事件を起こしたバッキ―ビジュアルプランニングは、マンション名を含む住所、本名、電話番号などの出演女優の個人情報を勝手に記載しそれを売りにして販売していました。
出演女性は何も知らないまま、自宅付近に不審者があらわれたり、インターネットの掲示板拡で拡散されていて、ようやく気付く事態となったようです。

熟女ハウスにようこそ!(週刊実話増刊2004.6.21p見開き)

>今回の熟女モノに限ってはテーマが”AV女優のプライバシー”それなら、出演する女優さんのお宅を借りたら、生活感も出て面白いかなと思うたんですわ!(バッキ―ビジュアルプランニングの橋本深夜監督)
記事には「家賃30万円の豪華マンション」「マジ?!女優の自宅でAV撮影」と記載されている。

2005年2月  週刊実話でバッキーの作品『個人情報公開ビデオ』で女優に承諾なく女優の個人情報がさらされていると女性が激白。

「新たな被害告発あの美人ダンサーも鬼畜AV撮影団の餌食になっていた!」(週刊実話2005.2.3p228~p231)
>A・Yさん(出演女性)が慌ててそのDVDを購入して見てみると、顔面が蒼白になった。作品の表紙には「観れば会える!住所本名個人情報完全公開」という大きな文字。その下には首輪をはめられ、拘束された姿でバイブで責め立てられている彼女の写真。
>そもそも、個人情報公開は計画的に行われたフシがある。自室での男優とのからみ前、用意周到に自宅近くのスチール写真の撮影をしていたのだ。
>「その際にビデオのカメラマンは準備と称して室内に残っており、この間にこっそり宅配便の荷札などを盗み撮りしたのでしょう。」
>彼女が出演したのは「住所本名個人情報完全公開」シリーズの3作目。1作品に3人ずつ紹介されており、すでに9人の女優が危険な状態に身をおかれている計算だ。

バッキー作品ほど明確に出演女優の個人情報を晒すことはしなくても、出演女優には(出演が)周囲にはバレないと言いながら、出演がすぐ周囲にバレて孤立することを狙って、出演女優の自宅周辺や自宅での撮影を求めた手口もあったと言います。

また、本人の承諾を取ったからといって、出演者の住所や本名など、個人情報を晒すのは出演者を危険に晒すことになります。


ヤラセで、出演者の自宅や自宅の近くという設定で作品を作る必然性はないと思います。
AVの性加害肯定表現を許さない会では、出演者の家の近く、出演者の自宅、またはそう見せた場所の描写の罰則付き禁止を求めています

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