ポルノ視聴の低年齢化が何をもたらしているか

資料

インターネットの普及、スマホ、タブレットの普及により、
低年齢層が暴力ポルノに触れてしまう機会が増えた、暴力ポルノ視聴の低年齢化が起きていると報告されています。
➡低年齢層が暴力ポルノに晒される

ポルノが子どもたちに与える影響は
弁護士、ソーシャルワーカー、児童福祉機関のスタッフとして第一線で働いていた人たちからなるABA(American Bar Association)「子どもと法律センター(アメリカ)」でも報告されています。
ポルノが子供たちにどのような害を及ぼすか: 保護者の役割(ABA2014年5月)

ポルノが子どもに与える影響
・性的危害を常態化
・女性に対する攻撃性を促進
・女性に対する否定的な態度や行動を形成
・親密な関係に影響
・依存症につながる可能性

>2001 年から 2004 年の中高生を対象とした調査では、何らかのセクハラを行ったと報告した男子生徒の 76% が、露骨な性的メディアの使用も報告している
>10~15歳の青少年を対象とした2006年から2008年の調査では、ポルノ資料への曝露を報告した青少年は、性的に攻撃的な行動を報告する可能性が6.5倍高いことが判明
>非暴力的な内容にさらされたと報告した若者は、性的に攻撃的な行動を報告する可能性が 3 倍以上高く、一方、暴力的な内容にさらされたと報告した青少年は、性的に攻撃的な行動を報告する可能性が 24 倍高かった。
>性的コンテンツにさらされると、健全な親密な関係を確立し維持する能力が損なわれる可能性があり
>ポルノに繰り返しさらされる若者は、親密なパートナーに対する信頼レベルが低くなり、パートナーと性的独占性を見つける希望を失う可能性があることが示されています。
>2000 年に発表された調査論文では、オンラインの性行為に関連した問題でメンタルヘルスの専門家を受診する子供や若者が増加していることがわかりました。

オーストラリアのQUT(クイーンズランド工科大学)マイケル・フラッド博士の論文(「⼦供や若者の間でのポルノ露出の害」2006)では世界各国の調査研究があげられていています。

若い女性がポルノ視聴からのアナルセックスを否定的な経験として経験している(スウェーデン2001)
少年による頻繁なポルノ視聴➝少女への強制的な性行為は許されるという考えに同意(カナダ1995)
11歳~16歳の少年少女R指定およびX指定映画に晒される➝セクハラを受け入れる(アメリカ1994)
性的虐待や性的搾取に対して脆弱になる(抵抗する力が弱くなる)
大人の加害者が意図的に子どもにポルノを見せて逃げる能力を奪ってから性虐待することがある。
ポルノが少⼥や⼥性の性差別的で性的対象化する態度を助⻑するので少女や女性の脆弱性が高まる可能性。
児童ポルノ所持の低年齢化(児童ポルノのインターネットトレーダーの最⼤グループは15歳から19歳ニュージーランド2004)
ポルノ映画の視聴と性的暴力の被害者との間に関連性(イタリア2006)

すでにてんこ盛りの情報ですが、

暴力ポルノ視聴の低年齢化にどんな影響があるのか、小中高などで性的人権教育に携わってきたオーストラリアの団体「コレクティブ・シャウト(Collective Shout)」の指導的メンバーからの詳細な報告があるので、ゆっくり見ていこうと思います。

アボリショニスト(反性売買)団体と聞くと、なんだかよくわからないけど怖い印象がありますが(反差別が攻撃してきたため?)、この件を調べ上げ、子どもたちから多く話しを聞き出している報告としてとても貴重だと思います。

メリンダ・タンカード・リースト「オンライン・ポルノは世界最大の『教育機関』」
【解説】以下のインタビューは今年3月に行なわれたもので、少し古いものですが、内容はいささかも古くなっていないの…

こちらからいくつかの現象があげられているので、引用してみます。

性的「同意」ができない?女性の非人間化

半裸の女性のグラビアを見るとき、それだけで男性はモノを見るような回路に切り替わっているという報告がありますが、➡ポルノを見るとき男性は女性をただの物体として処理している。

さらにポルノ視聴の低年齢化、ポルノ視聴の低年齢化、長期間のポルノ視聴によって、どうかしてくるということですね。
同級生である少女たちや、親密なパートナーになった相手少女を、人として見ることができない?

少年たちは、女性が人間性を奪われ、ひどい拷問を受け、貶められている映像(最も暴力的なジャンルが最も人気があることを念頭に置いてください)を繰り返し見せられ、そのような映像で興奮するように訓練されており、そのことによってこれらの行動を自分の性的レパートリーに組み込むことになります。
 その結果、彼らは「同意」に興味を持たなくなります。ポルノにはそもそもいかなる「同意」もありません。その中の女性たちは、自分たちにされるあらゆることを自ら望んでいるものとして描かれているからです。女性がたとえ「ノー」と言ってもそうなのです。「ノー」という言葉を使った一大ジャンルがあり、「強制された~」や「犯された~」というジャンルも大人気です。

ポルノにすでに、暴力表現、強制された行為、レイプ行為が称賛されているため、「同意」に意味が無くなっていくということですね。さらに現実世界とポルノの違いを理解できないということでしょうか?

性的同意アプリには効果があるか?という問いにはこのように語られています。

 若い女性がアルコールやデートレイプ・ドラッグを飲まされていたら、略奪者や加害者になろうとする者は、顔認識や彼女の指を使ってスマホのロックを解除し、アプリにアクセスすることができます。あるいは、女性の側が途中で気が変わった場合、例えば彼があまりにも攻撃的になった場合、アプリを使って最新情報を得ることが何の役に立つでしょうか?
 もう少し有益なのは、警察や救急車などに緊急事態を知らせるアラーム機能や、性的暴行に関するホットラインや緊急避難センター、法律の相談窓口のリストを提供してくれるアプリです。

日本でも性的同意アプリを開発したと宣伝がありましたが、性的同意アプリをインストールしている男性がいたら「ヤベえ奴だから急いで逃げよう」と騒がれていました。
そもそも性的同意アプリで同意をとらなかったら、誓約書を書かなかったら、女性と性的同意が取れない状態とは、どのようなものなのでしょう。

そういえば日本にも「同意」の概念を全く理解しないどころか激しく拒絶する意見があります。
同意の概念が理解できないということでしょうか?
数週間前にいっしょに「同意に関する授業」に参加した男の子からレイプされたという少女の報告から、

同意教育は、女性蔑視と暴力の巨大な発信源であるポルノをはじめとする有害な文化的・社会化力を検証する全体的な枠組みの中で行なわれる必要があります。そうでなければ、その効果は限られたものになってしまいます。ポルノは、征服することにこそ価値があると教えています。同意を拒否することがエロティックだと考える少年たちを育てているのです。

ポルノを視聴することで不同意な状態こそが征服であり、不同意こそ性的興奮のあるものだと思うようになる、ということですね。

さらに会のメンバー(ジェームズ氏)の告白として

ジェームズは、長年にわたるポルノの消費によって、「女性を人間として見ることができなくなった」と述べています。女性を非人間化するオンラインのサブカルチャーにどっぷり浸ることで、「パソコンやスマホの画面の向こう側で、女性の客体化、非人間化、女性憎悪を説き、セクハラ、レイプ、児童虐待をノーマルなものとみなす過激化」を招いたのです。彼はこう述べています。

「これが私の過激化です。女性を人間として見ることをやめ、目にした女性をすべてモノ化し、見た瞬間に頭の中で彼女たちをポルノビデオに変え、一人残らず彼女たちとの性的関係を想像し、彼女たちが好むと好まざるとにかかわらず、彼女たちの体を手に入れる権利が自分にはあると考えるようになったのです。……
 ポルノとは、あらゆる有害で男性的な権力妄想を洗練し脚本化し高精度な画像にしたものなのです。」

 ジェームズは、「虐待は間違ったことであり、非難されるべきであり、止めるべきものであって、自慰行為をするためのものではないと考えるようになる」ためには、自分の道徳観を再構築する必要があると述べています。彼は言います、「共感を学び直さなければなりませんでした。女性を単なる生きたセックス人形ではなく、人間として見直さなければならなかったのです」。
(※赤字太字はあとから)

ポルノを視聴し続けた少年たち、男性たちのなかで、女性の客体化、非人間化、女性憎悪と
女性が非人間化されていき、それが現実の同級生、知人の女性、パートナーになった女性にも及んでいくということのようです。
彼らにとって性行為そのものが「女性を征服し自由に支配するもので女性はそれに耐えるものであり女性の意思など存在しない女性とはそういうものだということになっている」ということのようです。
なるほどこれは重症です。

依存症?

どうかしている状態の最たる症状としては、生身の女性との性交では性的興奮ができなくなり、オンライン・ポルノのみに性的興奮するようになるという報告や、

生身の女性では、つまり肌と肌が触れ合うことでは興奮することができなくなったという若い男性の証言でした。彼は部屋の中にある無生物のコンピューター画像を見て興奮したそうです。

ポルノ依存症?性依存症、性強迫性障害のような状態。(依存症につながる可能性)

スポーツするのをやめたり、家族と過ごせない言い訳をしたり、新しいポルノを求めて徹夜したり、学力が低下したり、人生が吸い取られたり、命を育む活動から切り離されたりしたと話してくれました。

ポルノ依存症についてはイギリスの報告からとんでもない数字が出ました。
研究によると、若者のほぼ3分の2がオンラインポルノ中毒になっている(Daily Mail Online イギリス2024年1月21日)

チューリヒとロンドンに拠点を置くパラケルスス・リカバリー(大手依存症クリニック)は、2019年から2023年の間にポルノ依存症の治療を受ける人の数が150パーセント増加したと警告した。
「私たちは、男性の2人に1人が依存症の診断基準を満たす問題のあるポルノの摂取に苦しんでおり、女性の4人に1人が苦しんでいると推定しています。
18歳未満ではそのレベルはさらに高く、約60パーセントとなっています。」

27歳の英国人男性は、12歳からポルノを見始めてから中毒になったと語った。彼はこう語った。「私は自分の行動を完全にコントロールできなくなっていた。私は朝から晩まで自分の部屋に座ってマリファナを吸いながらポルノビデオを見ていました。 
友達もいなかったし、教育も台無しになり、絶望的に感じていました。 
自分がどれほど嫌悪感を抱き、恥ずかしいと感じたかを言葉で言い表すことさえできません。この絶望の深さを理解できるのは、ポルノ依存症と闘ってきた他の人たちだけです。」

ポルノ依存症についてはまた別でまとめていきます。
➡ポルノ依存症 

同級生である女子を人として見ることができない➝女性と情動的なつながりを築くことができない

女性を人とみることができなくなるため、女子と友だちになったり恋人として関係を深めることが難しくなることがあげられています。(親密な関係に影響)

彼らは、女の子と「友人」になるのにも苦労し、彼女たちを一個の人格と見ることさえなかなかできないのです。

と男子児童がポルノ依存に陥っていくさまが報告されていますが、これらは持続し、「若者」「男子児童」だけのものではなくなります。成人して年老いてなお影響し、女性を人として見ることができない、女性と情動的なつながりを築くことができなくなるのです。

今のままでは、長期的に持続可能なパートナーシップや結婚はもちろんのこと、健全な友人関係さえ望めません。

ポルノが教えてくれるのは、女性を征服し虐待する方法であって、本物の親密さやつながり、愛情、そして長期的な関係を維持するために必要な共感については教えてくれません。ポルノは反関係(anti-relation)なのです。それはつながりを破壊するものであって、他者との関係性において人間性を豊かにすることとはまったく相容れません。手遅れになる前に、若い人たちがポルノのストーリーを拒否することが必要です。

女子児童への影響

女子への影響はどうなのでしょうか。団体は少女たちからの話も集めています。

ポルノランドで育つ: 少女たちはポルノ条件下の少年たちとセックスしたことがある
https://www.abc.net.au/religion/growing-up-in-pornland-girls-have-had-it-with-porn-conditioned-b/10097244
以下サイトのGoogle翻訳から引用します。

性的いじめや嫌がらせは、多くの少女にとって日常生活の一部

ポルノは少年たちの性的行動や態度を形成し条件づけており、少女たちはこうしたポルノ漬けの少年たちに対処するためのリソースを持たないまま取り残されている。

女子がポルノを視てしまう影響より、ポルノ視聴している少年たちと交際するうえでの問題があがっているようです。

女子本人は楽しくないが、男の子が楽しむための性行為を提供する。

女の子たちは、楽しくないことを我慢することを期待されていると話します。セックスをパフォーマンスの観点からのみ見ている人もいます。最も重要なのは男の子がそれを楽しんでいることです。15歳の女の子に初めての性体験について聞いてみました。彼女は「私の体は大丈夫だったと思います。彼はそれを楽しんでいたようです」と答えました。多くの女の子は、自分自身の喜びや親密さの感覚から切り離されているように見えます。彼がそれを楽しんだことが重要だ。少女や若い女性は、少年や男性に自分の望むものを与え、自分の体を単なるセックスの補助として、ポルノ的な役割や行動をとるよう強いプレッシャーにさらされています。

親しくなれば、「女の子は愛情の証として性行為を提供することが期待され
裸の画像のリクエスト」にどう相手を傷つけず断ればいいか悩み、

日常的に子どもから子どもへの性被害、同級生からの性被害がある。(性的危害の常態化)

校庭で痴漢されたと語る少女たちや、学校や帰宅途中のスクールバスの中で日常的にセクハラを受けた少女たちにも出会った。

ポルノに影響された見た目評価も生まれています。

15 ~ 24 歳の若い女性の間で、大陰唇形成術の依頼が10 年余りで 3 倍に増加しました。
➡思春期の陰唇形成術の必要性についての隠された真実を暴露する(2015年)

「ブラジリアン」ワックス脱毛を受けていない女の子は、(男の子だけでなく他の女の子からも)醜い、または手入れがされていないと見なされることがよくあります。

アナルセックスを含む、暴力的、虐待的な性行為にさらされる。

ゴールドコーストの家庭内暴力センターの所長は、拷問を含む行為による14歳以上の少女に対するポルノ関連の傷害が増加しているとうったえている。
➡誰も話したくないこと: 少年のポルノ利用によって少女の体がどのように傷つけられるか

所長談「ここ数年、14歳から80歳以上の女性に対する親密なパートナーによる強姦が大幅に増加している。最大の共通点は、犯罪者によるポルノの消費だ。
犯罪者(親密なパートナー)は空想と現実の区別がつかず、「ノーはイエス、イエスはアナルを意味する」という通説に基づいて、女性が年中無休で(‘ 24/7)「やっていく(up for it)」と信じており、引き起こされた傷害には気付かず、同意についてまったく考えていません。
私たちは、自由の剥奪、身体的損傷、拷問、薬物投与、同意のない映像の撮影と共有が大幅に増加しているのを目の当たりにしました。

「ノーはイエスを意味し、イエスはアナルを意味する」という通説…所長は何を言っているんだ?
原文ascribing to the myth that ’no means yes and yes means anal’, ほんとに言ってた。

それほどまでに親密なパートナー=恋人間で、「同意」に関心ないばかりか性的なものとすらされ、アナルセックスを求められることが常態化しているということでしょう。
断れなかったアナルセックスから内臓損傷、失禁=便失禁に苦しみ続ける少女たちもいます。(➡誰も話したくないこと: 少年のポルノ利用によって少女の体がどのように傷つけられるか)

少女たちから男の子に伝えたいメッセージを聞いてみると…、

「濡れていると言うのはやめてください」
「私たちの体についてコメントするのはやめてください」
「写真を要求するのはやめてください」
「レイプジョークは決して面白いものではありません」
「同意年齢未満のセックスは違法です」

少女たちがポルノに影響された少年たちから日常的に性的侮辱的な言葉を投げかけられ、女性蔑視的な要求をされているのがわかります。

ふつう?の恋愛がフェチ扱い?

ある若い女性は、出会い系サイトでは、誰かの目を憧れの目で見つめたり、ゆっくりとセックスしたいという願望を「フェチ」としてリストアップしていると語った。

少女たちには女性が楽しくなくて男性だけが楽しむ性行為、健康被害のある暴力的虐待的行為、不同意にあたる性行為が許されると思っている、求められているということがわかります。

女子児童への影響
・恋人なら自分が楽しくなくて男子だけが楽しむ性行為に耐えるものとされる
・恋人ならアナルセックス含む健康被害のおそれのある虐待行為を求められ耐えるものとされる
・恋人なら愛情の証として裸の写真を送信することを求められる
・男子児童からの性的嫌がらせや性被害、性的蔑視の常態化
・ポルノに影響された身体評価に晒される

これらは同意教育で改善されてきたかもしれませんが、ポルノに影響されたもとでは同意教育だけでは間に合わないとの指摘も挙げられました。
「同意」がポルノ文化に対抗できない理由(ABCメリンダ・タンカード氏2021年)

性被害から身を守ることに脆弱になる。

・小児性加害者に利用される

上にあげた調査報告にあるように、ポルノ視聴によって、女性や子どもが性被害から身を守ることに脆弱になることもあります。戦略的に加害者がAVポルノを被害者に見せてから加害するという事例もあります。

少女たちが無邪気に大人のおもちゃで遊ぶ(2017年MetroCo.UK)
Free a Girlによる児童売春の恐怖を示す啓発動画です。女児が大人のおもちゃを与えられ何に使うか聞かれています。性的なことが何だかわからない幼いうちに慣れさせられてしまうと、警戒心や嫌悪感を感じることなく受け入れてしまうのかもしれません。

・少女たち自身の誤認

少女たちの報告からは以下のようなものもあります。

7 年生の女の子…彼らの多くは『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(バレンタインデーに公開)を見ていた。彼らは、もし彼が私を殴ったり、縛り付けたり、ストーカーしたりしたいのなら、それは私を愛しているということですか?と尋ねます。

まるでラブロマンスもののように扱われ流行したSM作品の影響から「暴力を振るわれることやストーカーされることが男の子からの好意の証かと悩む」
というのも自分が望まないことを嫌だと思う当然の感覚を発することを躊躇させ性被害から身を守ることに脆弱になっている状態とも言えます。

・子どもどうしの性加害、恋人としての少年からの性加害に麻痺していく

「恋人から性的な画像を送ってくることを求められる」とはポルノ視聴に影響を受けた男子児童から日常的に麻痺させられている状態でしょう。
「児童ポルノ所持の低年齢化」とは男子児童が恋人やパートナーからの写真や動画をもらったり撮影して売買や流出にいたっているということです。

子どもどうしの性加害が起きていても、「恋愛」の範疇と扱われてしまったら本人も気づくことに時間がかかります。性に脆弱で判断力や責任能力がないとされる子どもに、子どもどうしだから健全な関係だ?としてしまうのはよくよく考えるとおかしな話です。

性被害から身を守ることに脆弱になる
・小児性加害者たちに利用される
・少女たち自身の誤認(性的要求に応じることが愛情の証・暴力を好意ととらえるなど)
・子ども同士の性加害、恋人=パートナーからの性加害に麻痺していく

若者たちが声を上げています。オーストラリアの児童養護団体のレポートに取り上げられた18歳のジョシーの言葉でしめくくられています。

「現在、少年や男性がアクセスできる暴力的なポルノに対して、何らかの取り締まりが必要だ。オーストラリアでは明らかに暴力に問題があり、少年たちは、 「非常に暴力的になる可能性があります…これは男性の女性に対する態度や、男性が何を許容できると考えるかに影響を与えています。暴力的なポルノがオーストラリアの恋愛に浸透しています。」

対策

どう取り締まっていったらいいか、オーストラリアでは成人サイトを閲覧する際の顔認証による年齢確認で保護の実施を進めようとしたようです。
オーストラリアではアダルトコンテンツ視聴前に顔認証で年齢確認する仕組みの導入が提案(Gagazine2019日本語記事)
ポルノのオンライン視聴に「年齢確認」が必要になりつつある(WIRED 2023年日本語記事)
アメリカのいくつかの州、ドイツ、フランス、英国、オーストラリアが実施に向かっているようだが、生体年齢認証や身分証明書提出に個人情報漏えいの懸念から慎重な意見も生まれたようす。

2019年オーストラリアで内務省がオンライン年齢確認に生体認証を提案
オーストラリア政府、オンライン年齢確認に生体認証を提案(BIOMETRIC UPDATE.COM 2019年10月)
「これらは主に身元犯罪を防止することを目的としているが、内務省は年齢確認プロセスを強化するためにオーストラリア経済全体での文書および顔認証サービスの利用増加を支援する」と内務省は下院社会常任委員会に書面で回答した。オンラインポルノの年齢確認にこの技術を適用できるかどうかに関する政策法務局の調査。
調査は英国の同様の取り組みを受けて9月に行われた。しかし今月(10月)、プライバシー保護団体からの懸念を受けて英国政府の計画は頓挫したと 報じられた

2021年オーストラリアでオンライン安全法案成立
オーストラリアのオンライン安全法により、オンラインポルノに生体認証による年齢確認が導入される可能性(BIOMETRIC UPDATE.COM 2021年3月)
>オーストラリアが提案したオンライン安全法は、同国のeSafety委員にさらなる権限を与えるもので、オンラインポルノへのアクセスには生体認証による年齢確認が課される可能性がある

2023年2月、フランス「2023年には子供たちのポルノサイトへのアクセスはなくなるだろう」
ポルノは 18 歳以上が対象となり、ソーシャル メディアは親の許可がない限り 15 歳に制限されます。「二重匿名性」を伴う技術的解決策が提案されており、早ければ3月にもテストが実施される可能性があるとフィガロ紙は述べている
二重の匿名性でフランスのポルノとソーシャルメディアに年齢認証を導入(BIOMETRIC UPDATE.COM 2023年2月20日)

(2022年5月オーストラリアで政権交代 労働党が与党に。保守連合が下野。)
連邦総選挙、野党・労働党の勝利で9年ぶりに政権交代(JETRO 2022年05月23日)

オーストラリアでは政府(リベラル)が予算の都合を名目に業界に任せようとしていた経緯。
野党(保守)が提出した2023年オンライン安全修正法案(オーストラリアの子供たちをオンライン危害から守る)は、未成年者のデジタルアクセスを生体認証年齢保証技術で制限するとも書かれています。
野党は年齢保証技術を使ってソーシャルメディアとアルコールを標的にする(InnovationAus.com 2023年11月28日)
オーストラリア野党の年齢確認法案でポルノが主役に(BIOMETRIC UPDATE.COM 2023年11月29日)

2023年12月ようやくカナダアダルトサイトに身分証明書提出義務付ける法律が成立。
違反するサイトには約2500〜5000万円の罰金。
青少年ポルノへのアクセス リベラルの反対にもかかわらず法案が可決された(LA PRESSE 2023年12月13日)

ポルノ視聴の低年齢化が世界中で問題視され、対策を求められていることがわかります。
今後の経過を注視したいと思います。


参考にした主なサイト ポルノ・買春問題研究会|国際情報サイト 日本
          「コレクティブ・シャウト(Collective Shout)」オーストラリア
           BiometricUpdate.com 生体認証市場に関するニュースサイト
         

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