AV新法へ

資料

出演強要問題が明るみになった2010年代

2010 日映審(旧ビデ倫)とCSAが統合し映像倫に。 知的財産振興協会(IPPA)設立。 
2014年 アダルトビデオの出演を拒絶した女性が、所属プロダクションから金2400万円以上の違約金を請求される事件が東京地方裁判所に提訴
2015 ビデ倫裁判、最高裁で有罪確定。
2015 児童ポルノ単純所持禁止に。
2015 9月「出演拒絶した女性が、所属プロダクションから金2400万円以上の違約金が請求された訴訟」が棄却された
2016 AV女優への出演強要が社会問題化。プロダクション社長などが逮捕される。 
   6月マークスジャパンの元社長や当時の社長ら3人が逮捕される。 
   労働者派遣法違反(有害業務就労目的派遣)などの疑い。 
   最大手メーカーCAが家宅捜索を受ける。 
2016 7月14日号週刊文春で現役AV女優香西咲氏の告発。
2016 7月 野外露出物の撮影でキャンプ場を使用、人目に触れる屋外で撮影したとして 公然わいせつで52人を書類送検(2014年の作品)。 不起訴になるがマークスジャパンは解散。
   出演強要問題を受け、表現者ネットワーク(AVAN)が設立。
   00年代の美熟女ブームをけん引した川奈真理子が代表。 
(AVANは2018年解散、その後「AV人権倫理機構外局」として再編成)
  AV人権倫理機構 https://avjinken.jp/ 
2017 出演強要問題を受け、AV人権倫理機構が設立。適正AVルールを発表。 
   モデルプロダクションの協会として、
   日本プロダクション協会、第二プロダクション協会が設立。 
2018 出演強要問題を受け、AVメーカー、制作者による 
   映像制作者ネットワーク協会が設立。 
   エックスアカウント@ccnetwork_info 2021以降ポストなし 
   フリーランス女優の協会、フリー女優連盟が設立。 
   2018年記事 https://mainichi.jp/articles/20181112/k00/00e/040/140000c 
   かさいあみ代表 エックス@andu072 
   2023年12月記事 「フリーセクシー女優連盟」 
https://news.yahoo.co.jp/articles/c04fc5df2c08ec5fa3fc132ea3c4f96bd6a4f5ce?page=1 

2020 10月ディープフェイク動画の製作者が逮捕される。 

2022年 成年年齢引き下げ。4月1日から18歳以上が成年に。
2022年3月 署名「成人年齢引下げ後もAV出演契約は未成年者取消権を無効化しないでください」4万票超獲得各所提出
2022  AV新法施行。6月15日成立6月23日施行。
無修正動画アップロードで逮捕されていた映像制作会社社長が、 出演女優に契約書を渡さなかった件で12月に再逮捕。AV新法初の逮捕者に。 

2023年3月元AV女優でタレントの澁谷果歩氏が制作会社などに損害賠償を求める訴えを起こした。

資料 「日本AV全史」安田理央著 ケンエレブックス
   文春オンライン

AV出演を断ったら高額訴訟された女子大生

2011年高校生の時にプロダクションに所属した女性が業務委託契約後、わいせつなビデオを撮影させられた(着エロ?)。やめたい旨を伝えると「違約金がかかるぞ」と脅し同様の撮影を強要するが対価は全く支払われない。女性が20歳(当時女子大生)になるとAV出演を強要された。
2014年AV出演を断ったところ2400万円の高額訴訟をされた。
それを例に人権団体が2014年2015年と声をかけるとAV強要に巻き込まれた女性の相談が寄せられた。

AV出演を強要される被害が続出~ 女子大生が続々食い物になっています。安易に勧誘にのらず早めに相談を(国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ副理事長 伊藤和子氏2014年8月)

被害続く・AV出演を断った20歳の女性に芸能プロダクションが2460万円の違約金支払いを求め提訴。(国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ副理事長 伊藤和子氏2015年6月)
>(前回のエントリー・2014年の投稿を機に)その結果、「タレントになれる」「有名になれる」などの安易な誘いに乗るのを思いとどまって、本当にひどい目にあわずに済んだ女性もいると本当にうれしい、と思います。
>しかし、実際に支援者の方々から聞こえてくるのは、「私もAV強要されました」「逃げたい」という悲痛な相談の数々。
>私のエントリーを機に、「相談に乗ってくれるところがあるのかも」ということで、既に50件以上の相談が、支援団体に寄せられているというのです。

AV違約金訴訟・意に反して出演する義務ないとし請求棄却。被害から逃れる・被害をなくすため今必要なこと(伊藤和子氏2015年10月)
2014年、アダルトビデオの出演を拒絶した女性が、所属プロダクションから金2400万円以上の違約金を請求される事件(原告・プロダクション、被告・女性 当職は被告代理人) が東京地方裁判所に提訴された
>本件について、今年(2015年)9月9日に、原告・プロダクションの請求を棄却する判決が出された。判決は、原告が控訴しなかったため、9月25日に確定した。被害者は心から喜んでいる。

AV出演拒否で女性に賠償請求 提訴の弁護士「懲戒審査相当」 日弁連異例の決定 「正当な活動」反論も(産経新聞2017年1月)
>日本弁護士連合会(日弁連)が、所属事務所の代理人を務めた60代の男性弁護士について「提訴は問題だった」として、「懲戒審査相当」の決定をしていたことが18日、関係者への取材で分かった。

AV出演強要を拒否した女性に高額な請求訴訟を提起した.AVプロ側代理人弁護士に懲戒請求、日弁連懲戒委員会は棄却(弁護士自治を考える会2019年)

AV出演を断った女子大生を高額訴訟で訴えたプロダクションの代理人弁護士は、人権弁護士と言われた宮本智(さとみ)氏。
『吉原のドン』南雲豊作氏との関係も指摘された。
AV嬢在籍ソープ経営者“吉原のドン”と親しくしてた小林幸子、野口五郎、土田和歌子(パラリンピック金メダリスト)、警視庁OB、公安OB、人権派弁護士(2016年11月8日)
『吉原のドン』が逮捕されたのはAV出演強要問題が関係するとFRYDAYにすっぱ抜かれる。
吉原ソープランドのドンが原宿署に逮捕された理由(2016年10月20日)

AV新法施行後も寄せられる相談

AV業界や購買者目線で作られた「AV新法」には反対です!!(imidas仁藤夢乃の連載コラム2022年5月)
>AV人権倫理機構側は「自分たちは“中立な機関”であり、被害者からの相談も受けている」と主張していたが、AV出演の被害者支援を行っている支援団体に「AV人権倫理機構に相談しても何もしてもらえなかった」という被害者からの相談が相次いでいると聞いている。

性暴力被害者の会によるAV新法見直し審議に向けて提出された「出演被害者からのお願い」(2023年12月27日)によると、性暴力被害者の会への2023年6月15日から2023年12月27日までにアダルトビデオ、個撮、オンライン性行為への相談が124件あり、出演後数年経過した人97件、出演2年以内の人4件、出演前相談23件だったそうです。
相談内容として、契約撤回や差し止めを求めた際の「報復」を恐れていること、白素材とよばれる編集前の動画が流出して勝手に編集されてしまうこと、再編集オムニバスは差し止めできないこと、風俗や遊廓勤務を強要させられる、性売買をやめたいといった相談が多く、出演前相談も含め、精神疾患など健康状態に問題のある人がほとんどだそうです。

実際に脆弱な人たちは、スカウトなどから自ら出演を希望するようにマインドコントロール、グルーミングを受けて出演を決意しています。自身が搾取されていたことに気づくのは、数年かかります。法律に示された2年の取り消し可能期間は、マインドコントロールされた状態から覚めることができません。
AV業界の独自規定である5年後の撤回も、報復が恐ろしくて申請できません。再編集を重ねて、販売停止にできない作品も大量にあります。私出演たち被害者は、既存の支援団体からの断られ、一切何の救済もうけられていません。アダルトビデオ出演被害者を増やさないために、以下の項目をお願いします。

・脆弱な人たち(発達特性、逆境環境、性暴力被害者など)へのグルーミングの禁止
・スカウトを「匿名・流動型犯罪組織(トクリュウ)」指定
・制作側による健康被害免責を禁止
・善管注意義務をAV制作者に課す
・出演者に恒久公開権(取消権)を
・犯罪肯定コンテンツ作成の罰則付き禁止

AV出演強要の手口

無理やりAV出演させられた女優たちの証言|ほぼ週刊吉田豪(東京ブレイキングニュース2016.5.28) >自伝を出すぐらいまでの存在になったAV女優の数はそれほど多くない中で、ボクがそれらの本を読んだ限りで言うと、AV出演強要みたいなケースは確実にあるわけですよ。
>たとえば麻美ゆま『Re Start』(14年/講談社)には、彼女のAV入りの経緯がこう書かれています。
>泣きながら事務所を辞めたいと言っても、『AVに出なければ、辞めさせない』の一点張り。『やります』と言わなければ、その場から離れられないような状況で、本当に怖かった。私の気持ちを少しも理解しようとしてくれず、『なんで泣いてるの?』とまで言われ、〈この人は人の心を持っていない〉と、思ったほどです。
>〈大人って汚い〉と思った瞬間でした

峰なゆか×川上奈々美。AV女優は5年で一回息が途絶える(SPA2021年7月)
>んどくなってる時に渋谷のスクランブル交差点を歩いていたら声を掛けられて、事務所に行ったらそこが芸能系の仕事をしてるって。「今の仕事辛いからやります!」って契約したんですけど、仕事が決まったって連れていってもらったら「じゃあ、脱いでみようか」って。それが結局、AVだったんです
>怪しいと思ったのはギリギリでしたね。「V撮影〇日に決まったよ」ってメールきて、Vってなんだろう?って。

01 こんな被害が起きています(男女共同参画局)

モデルやタレント、パーツモデルとして勧誘されたり求人されている。
テレビの取材だといって誘導され性的行為を撮影される。
単なる登録だなどといってサインさせられる。
バレないなどとそそのかされる。
契約しているからムリ、違約金がかかるなどと脅される。
AVではなく「V」と言って何の撮影かわからないようにする。

無修正動画流出/白素材(未編集素材)流出問題

性暴力被害者の会によるAV新法見直し審議に向けて提出された「出演被害者からのお願い」(2023年12月27日)にも、AV出演当事者から「白素材流出問題」や「再編集オムニバスの差し止めができない」などの相談が寄せられていました。編集前の映像が無修正のまま流出してしまうことも頻繫にあるようです。

➡日本のAV史 より抜粋
2018 人気AV女優の無修正動画がネットに大量流出。 
2021  SODクリエイトなど大手数社がFANZAから撤退。 
     SODクリエイトの無修正動画素材がネットに大量流出。   
 2022  SODクリエイト作品、FANZAでの取り扱い再開。   

資料 「日本AV全史」安田理央著 ケンエレブックス 

元AV女優澁谷氏の告発(2023年3月)

「モザイクがなく、完全に性器が露出していますので…」東スポ出身の元AV女優が語る、編集前“無修正動画”の流出と訴訟を決めたワケ澁谷果歩さんインタビュー#1(文春オンライン2023年3月)
>「澁谷さんの無修正動画が海外のサイトに流出しているよ」とリンク付きで連絡がきました。
>実際にリンクに飛んでみると、たしかに私の動画だったんです。2016年に撮影され2017年ごろから販売された2作品だとわかりました。
>可能性が高いのは、関係者からの流出です。制作会社や監督などが無修正動画を外部に売り、そのデータを購入した人が流出させてしまう
>もう一つ考えられるのは、ハッキングです。これも以前あった話ですが、有名なAVメーカーが外部からハッキングされて、無修正動画が流出してしまったことがありました

「月の半分は風邪を引いていた」「『監督、もう声が出ません』と訴えても…」青学卒の元AV女優が語る、過酷すぎた業界の裏側澁谷果歩さんインタビュー#2(文春オンライン2023年3月)
セクハラ問題も
>事務所の対応としては、「やめてください」とセクハラを断罪するのではなく、「次の撮影は優先的に入れてくださいね」と交渉するんです。私たち女優側も一般的な会社の感覚とはずれているから、それをおかしいと思わないんですよね。仕事が増えたラッキーみたいな。だから余計セクハラがなくならなかったんだと思います。
業界内の問題は業界内で済ませないと干される
>昔、男優さんで業界内のルールを破った人がいて、業界の重鎮から「お金を払え」と、脅迫されたことがあったんです。男優が警察に相談したことで、その重鎮が逮捕されたんですが、男優はその後、撮影NGリストに入って、メジャーなメーカーからの仕事は一切無くなりました。もちろんルールを破った男優が悪いですが、業界内のことは業界内で解決するということが暗黙のルールなので、内部の問題が明るみに出ることがないんです。

香西咲氏の告発(2016年7月~)

当時現役AV女優の香西咲氏が前所属事務所社長から8カ月にわたる「洗脳」を受け、AVに出演させられたなどと社長の実名を挙げて告発した。

AV強要 現役女優・香西咲が語る「洗脳」から出演までの8カ月(withnews2016年9月24日)
スカウトから引き合わされた事務所社長とヒルズのレンタルオフィスで会う。
最初の面談で夢を詳しく聞かれて、週1回、90分から2時間程度かけて、将来を話し合う面談を継続する。将来の夢を具体的にイメージするように仕向けられた。「ビジョン・ブック」にスケールの大きな夢を描けないと叱咤される。女性起業家を例にあげ、彼女たちと同じようになるため、まず有名になる必要があると強くすり込まれた。契約したその月にAV出演。
「撮影進行中に少しでも弱音を吐くと、罵声の幻聴が聞こえてきた。その場にいないはずの社長が、まるで隣で発したかのように怖かった。」
NG項目は無視された。「性接待」まで強要された。ほどなく身体に異変。

AV強要 現役女優・香西咲「文春砲」で脅迫も 「海に沈められる…」(withnews2016年9月30日)
>以前から仲の良かった一人に食事に誘われた。普通の会話が続いたが、文春記事の話になると相手の口調が変わり、脅迫とも受け取れる言葉が出てきた。「この業界、誰がどう関わっているか分からないし、利権の問題もあるかもしれない。あまり騒ぎ立てると危ないよ。人一人消えてもおかしくない。東京湾に沈められることもあり得る」。
>さらに別の日に突然、電話をよこし、「そろそろ自分の立ち位置をはっきりさせた方がいいんじゃない?」とも言ってきた。香西さんは「業界のおきてに従って従順になるか、辞めるかの選択をしろ」ということだと受け止めた。

適正AVてなに?

適性AVについて(IPPA知的財産振興協会)
>「適正AV」とは、AV人権倫理機構(HP:https://avjinken.jp/)が提唱する「女優の人権に配慮した過程を経て制作され、正規の審査団体の審査を受けたAV作品」のことをいいます。(作品の表現内容に関して指すものではありません。)
>視聴者の皆様におかれましては、「適正AV」を応援いただけることが、女優の方々が安心して出演できるAV制作環境を整えていくことになり、お気に入りの女優の方を応援することにも繋がります。

視聴者に適正AV規格のAV視聴をしてもらうことで、AV女優の人権擁護を促すもの。
適性AVの規格のない業者が作成・販売もできてしまう。
作品の表現内容を審査するものではない。

アダルトビデオに出演したら… “地下化”に潜む新たな被害(NHK政治マガジン)
>2017年に、弁護士や法学者がAV業界を第三者的立場で監督する「AV人権倫理機構」が設立され、出演者の人権に配慮し、健全化を図る枠組みが整備された。
機構は、撮影にあたって自主規制ルールを設けている。
>出演者には契約書の写しを渡し、撮影内容の詳細を事前に説明することや、面接は録画をしながら1対1で行うことなどが主な内容だ。
出演者の申請があれば販売を取り下げる仕組みもある。
業界側はこうしたルールのもとで制作された作品を“適正AV”と呼んでいる。

AV新法てなに?

「高校生AV解禁」から全ては始まった…斜陽の業界に致命傷を与える”AV新法”のヤバすぎる中身(PRESIDENTオンライン2023年3月中村淳彦)
AV新法ができたのは、2022年4月、民法の成人年齢が18歳に引き下げられることが契機となったから。

法律の内容を知りたい方へ(男女共同参画局)

AV出演被害防止・救済法が施行 AV出演を契約しても無条件でその出演契約をなかったことにできます!(政府広報オンライン2022年12月9日)
AV出演被害防止・救済法の主なポイント

(1)基本原則

  • この法律は、出演者の性別・年齢を問わずAV出演契約を無力化するルールを定めるものです。
  • AV撮影における性行為等の強要は禁止です。
  • 公序良俗等に反する行為や違法な行為を容認するものでも合法化するものでもありません。

(2)契約の締結に関する特則

  • 契約を結ぶ際、映像制作者は、一つのAVごとに出演者に対して出演契約書を作成・交付し、契約内容について、詳しく説明する義務があります。

(3)契約履行に関する特則

  • 映像制作者は、出演予定者に契約書等を交付してから1か月は撮影ができません。
  • 撮影時には出演者の安全に配慮することが義務づけられます。
  • 出演者は、意思に反した撮影や嫌な行為は断ることができます。
  • 全ての撮影が終了しても4か月間は映像の公表は禁止されており、出演者は撮影された映像を公表前に確認できます。

(4)無効・取消・解除に関する特則

  • AVを特定しないで出演義務を課す契約出演者に不利な損害賠償を定める条項などは無効となります。
  • 書面の交付義務や説明義務に違反があったときは、出演者はAV出演契約を取り消せます。
  • 撮影に同意していても、公表から1年(令和6年(2024年)6月22日までの間に締結された契約は「2年」)が経つまでは、性別・年齢を問わず、出演者の意思によって無条件で契約を解除できます。
  • 契約の解除により、出演者は金銭などの損害賠償の負担を負いません。
  • 契約の解除を妨げるために、嘘をついたり、脅したりする行為は禁止されます。違反した場合は、罰則もあります。

(5)差止請求権など被害拡散防止の仕組み

  • 出演者は、契約の期間等を超えて映像が公表されている場合や、契約の取消や解除をした場合は、販売や配信の停止などを請求できます。
  • 映像を制作する者だけではなく、ウェブサイトにアップロードしている者にも請求可能です。
  • 契約されていないAVについても、当然可能です。

(6)プロバイダ責任の特例

  • 出演者がウェブサイトのプロバイダにAVの配信停止を申し出た場合、プロバイダから情報発信者に対する削除同意照会の期間が、通常の「7日間」から「2日間」に短縮されるなど、削除を迅速化するための仕組みが規定されました。

(7)映像を制作する者への罰則

  • 企業であるか個人であるかにかかわらず、出演者と出演契約を結ぶ者が対象です。
  • 任意解除の妨害のための不実告知または威迫・困惑行為は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処されます。また、法人に対しては1億円以下の罰金が科されます。
  • 契約書等交付義務違反・説明義務違反は、6か月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。法人に対しても同額の罰金が科されます。

AV新法で起訴されている事件

全国で初適用の男
AV新法違反罪の男に有罪 全国初適用、東京地裁(日経新聞2023年9月)
>アダルトビデオ(AV)の出演女性に契約書を交付しなかったなどとして、AV出演被害防止・救済法違反などの罪に問われた映像制作会社「グレイスエンターテイメント」(千葉県市川市)の代表、角谷貴史被告(50)に東京地裁は14日、懲役2年、執行猶予3年、罰金150万円、追徴金約876万円(求刑懲役2年、罰金150万円、追徴金約876万円)の判決を言い渡した。
女性に「無修整」と告げずAV撮影か 容疑の男、AV新法初適用(朝日新聞DIGITAL2022年12月)
>角谷容疑者は、米国の動画販売サイト「FC2コンテンツマーケット」で無修整の動画をアップロードし不特定多数の人に見られるようにしたとして、わいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪で今月2日に起訴されていた。今回の容疑となった7作品も無修整で、FC2で販売されていた。
>女性3人は、1作品あたり4万~15万円で出演。いずれも作品が無修整だとは知らされておらず、「知っていれば出演しなかった」という趣旨の話をしているという。

横浜で初適用の男
AV新法初適用、出演契約書の不交付で略式起訴 横浜簡裁が罰金略式命令(2023年)
>東京都台東区の会社員の男(42)を略式起訴した。横浜簡裁は同日、罰金50万円の略式命令を出した。
>都内のホテルや自宅で女性計2人に対し、AVの出演契約を結ぶ際、計4回にわたり、法令で定められた説明書面や契約書などを事前に交付しなかった、とされる。

双子の兄弟
「身バレしたけど動画を消してくれない」女性にAV出演契約書渡さなかったか 41歳の兄弟を逮捕 AV新法静岡県内で初摘発(TBS NEWSDIG2023年8月)
>静岡県内に住む出演女性から「身元がバレたけど動画を削除してくれない」と警察に相談があり、警察が2人の捜査を進めていました。
AV新法違反などの罪に問われている双子の兄弟は初公判で起訴内容を認める 静岡地裁(LOOK2023年11月)
>滋賀県大津市のアダルトビデオ制作業の(弟?)本田伸太被告(41)と双子の兄(41)です。
>被告人質問で弟の被告はAV新法について「正規のメーカーに適用されるもので、個人投稿者には関係ないと思っていた」と話しました。
>その上で「女性に拒否できる権利があることを伝えなかったのは不公平で申し訳なかった」と答えました。
【AV新法違反事件】被告の兄弟に執行猶予付きの有罪判決18日(静岡地裁)(LivedoorNews2024年1月)
>2人は、2022年から2023年にかけ、アダルトビデオを制作する過程で出演した女性3人に、法定の契約書などを交付しなかった罪などに問われていました。2人が、動画投稿サイトで得た売り上げは、少なくとも3億円に上るとみられています。
>18日の判決公判で、静岡地裁の益子元暢裁判官は「出演者に十分配慮せず、自らの利益を優先した身勝手な犯行」などとして、2人の被告に対し、それぞれ懲役2年、執行猶予4年の判決を言い渡しました。

秋田県の男
ネット販売のAV手がける男、出演女性に契約書交付せず…新法違反で書類送検(読売新聞オンライン2023年7月)
>アダルトビデオ(AV)に出演した女性に契約書などを交付しなかったとして、秋田県警由利本荘署と県警生活環境課は14日、秋田市に住む自営業の30歳代の男をAV出演被害防止・救済法違反容疑で秋田地検に書類送検した。同法違反容疑の立件は県内で初めて。
>県警によると、男は昨年10月31日頃、自身が手がけるAVに出演した女性に対し、撮影内容や日時、場所、報酬などに関する説明書や契約書を交付しなかった疑い。容疑を認めている。

長崎で逮捕された名古屋の男 職業安定法違反容疑で再逮捕もされる
AV製作者を再逮捕 県警 職業安定法違反容疑で /長崎(毎日新聞2024年2月)
>県警は8日、アダルトビデオ(AV)の出演者に契約書などを交付しなかったとしてAV出演被害防止・救済法違反で起訴された動画製作・販売会社役員、堀田匡崇(まさたか)被告(42)=名古屋市中区大須2=を、職業安定法違反容疑で再逮捕した。容疑を認めている。

インターネット上でアダルトビデオ出演募集 会社役員の男(42)職業安定法違反で再逮捕(長崎文化放送2024年2月)
>堀田容疑者は1月16日、県内の2人の女性に対し、説明書面や出演契約書などを交付せず、アダルトビデオに出演させたとして、県内で初めてAV出演被害防止・救済法違反の疑いで逮捕され、2月6日付で長崎地検に起訴されました。被害者の2人の女性は今回の容疑の募集を見て応募していました。
>県警によりますと、堀田容疑者は2022年6月から2023年10月までに、男女合わせて約80人が出演するアダルトビデオを制作、販売、配信などをして2200万円を売り上げていたということです。

AV新法を緩和させようとする動き

AV新法のせいで「AV業界がなくなる」「文化がなくなる」時期の規制によって「費用が回らなくなる」それ以外に「地下に潜る」「女優が危険なアングラ媒体に移っている」などがありますが、AV新法で摘発されているのは全国の個人営業の業者つまりアングラ媒体です。職業選択の自由と言いながらAV新法を緩和させようとするスタンスをとる業者は出演者の心配を全くしていないのがわかります。

(郡司真子氏ニュースレター「こぼれ落ちた傷つき」より)

こぼれ落ちた傷つき
2022年6月、アダルトビデオ出演被害防止と救済のための法律が議員立法により成立しました。この法律では、騙されて出演契約を結んでしまった人については救済できるようになりましたが、自らの意志で出演した人の救済は困難なままです。こぼれ落ちた被害...

「AV出演被害防止・救済法」施行前後に流れたデマ
・新法のせいで仕事が減った(←もともと出演者供給過剰で、新法施行前から恒常的に、AV女優の8割が半年から1年以内に仕事を失うことが常態化していました。)
・地下に潜る(←正確なデータが存在しません。古典的なデマです。
・海外に女優さんが流れひどい目に遭う(←1990年代から、日本のアダルト業界から台湾、香港に出演者が派遣されてきました。)
・ラディカルフェミニストは「職業差別」している(←性搾取側の騙しのセリフです

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